【2013年6月1~2日】
寝台特急あけぼの&スーパー白鳥&スーパー北斗:高尾~高麗川~高崎~青森~函館~札幌


前回の旅で、秋田回りのブルートレイン「あけぼの」とその路線の風情がすっかり気に入ってしまった私。旅のメイン列車は今回も「あけぼの」に決定。
でも、ちょっと趣向を変えて「寝台料金」がかからない「ゴロンとシート」をチョイス。このシートはB寝台車両だが、寝具・ゆかたなどを廃して、指定席料金のみでOK! リーズナブルにベッドで寝られるのです。
さて、どんな道中が待っているかな。ワクワク。

【2013年6月1日】夜行列車の時間まで寄り道しながら


今回の旅の始まりの駅へ。


道ばたには、見事に植物に飲み込まれた住宅が。 


駅前では土産屋によって。


今回の始発駅は。JR中央線、東京都内最後の駅「高尾駅」。 


普通列車で2駅隣の八王子駅へ。
そこから、八高線(八王子~高崎)に乗り換え。


八高線は八王子~高麗川間は電化されてるが、そこから先は非電化区。直通列車が無く、途中駅の「高麗川駅」で乗り換え。
待ち時間は1時間半。この時間を使って、ちょっと探検へ。 


この「高麗川駅」の漢字「高麗」っていう(中国?っぽい)文字遣い。以前からその由来が気になっていて。
地域の歴史を調べるなら、きっと神社がいい!ってことで、「高麗」神社へ。
距離は片道1.5キロ。てくてく歩いても、列車の発車時間までには戻れるはず。
目的地はあの山の裾野。


眩しい太陽とアスファルトからの熱気。
北海道人にはちょっとキツイが、神社が近づいてきた感じが漂ってきた。  


高麗神社に到着。
境内の木陰とその幽玄な空気感にホッとする。
疑問だった「高麗」について、境内の解説板によると、唐と新羅の連合軍との戦乱を逃れてこの地に渡ってきた高句麗国の人々が由来にあるとのこと。謎が1つ解けた。


きれいに並んだ柄杓で汲んだ冷たい水。手のひらに心地良い。


謎も解けたので、今来た道を高麗川駅まで戻ります。
列車の発車時刻までは十分な時間があるので、先ほどの橋の上から川の流れを見下ろして、ちょっとたたずんでみました。 


大汗かいて高麗川駅に戻ってきました。
缶ビールでもと探すが、駅の回りには見つからず。夜まで我慢するしかないかな。
ということで14時32分発のの高崎行きに乗りましょうか。


ここからは非電化単線。ディーゼルカーの心地良いエンジン音が旅のリズムを刻みます。
レールの上を走っているのはなんでも「電車」って言うそこの君!
これは電車じゃないんだよ、「気動車」だよ(笑)  


青空、木々の緑、白さが眩しいバラスト、そして先へ続いていく2本のレール。
首都圏の喧噪を離れた、ホッとする景色の中を列車は進みます。


青空、木々の緑、白さが眩しいバラスト、そして先へ続いていく2本のレール。
首都圏の喧噪を離れた、ホッとする景色の中を列車は進みます。


墓参りを終え、北海道にはない風情と光景が続く群馬の町を散策。


分かれ道の石垣の上には壊れた?お地蔵さんが。


住宅街のすぐ裏、幽玄な風情漂う林に中には「愛宕山古墳」(6世紀末~7世紀前半と推定)。古墳の上に神社が建っている。
住宅街の日常生活の中に、古墳があることに驚き。


住宅街の分かれ道にも、歴史の証人が鎮座。
裏には「文化三年」と彫られていた。これっていつ頃?
調べてみると1806年(江戸時代・将軍は徳川家斉)。
道行く人たちを見守り続けて200年…。


立てかけた板に「売物」。
思わずシャッターを切る(笑)  


さらに歩くと鎮守の森が見えてきた。


ここは、旧群馬町金子の鎮守杜「諏訪神社」
まわりが住宅街になった今でも地域の方々に大事にされているのを感じました。


群馬の町を歩き回り、その端々に歴史深さを感じた一日でした。
これから始まる次の旅、高崎駅へ。


高崎は達磨で有名な街。夜の街に浮かび上がった達磨のレリーフに見送られて、今夜の宿となる列車を待つ。  


寝台特急あけぼのは22時48分発。


EF64に牽かれた、寝台特急あけぼのがホームに入ってきた。
さぁ、次の旅が始まるよ。


先述のとおり、今回は座席料金で乗れる寝台車「ゴロンとシート」(寝具なしでカーテンのみ)をチョイス。
2段寝台は4人席。すでに向かいと上段はお休み中。
途中駅から乗り込んだ私の分だけカーテンが開いてます。


缶酎ハイを飲みながら、夜更けの車窓を眺めながら、ウトウト


水上駅23時45分…そろそろ記憶も途切れ途切れ。


お休みなさい(*ノД`*) 

【2013年6月2日】


眩しい朝陽に目が覚めた5時17分…酒田駅をちょっと過ぎたあたりかな。
いい一日になりそうだ。


私が目覚めるとすでに向かいと上段の乗客は下車したあとでした。
 いつ降りたんだろ。全然気が付かないで眠ってたみたい。


車窓に広がる早朝の景色を眺めながら早い朝ご飯。
いつか降り立ってみたい風情の駅や街、忘れないように時刻表の駅名欄にマル印。


「ゴロンとシート」に使われている車両は、B寝台2段と全く同じもの。ないのは布団と枕と浴衣とスリッパ。
カーテンを開けるとこんな感じです。 


寝台車はベッド側の窓は小さいが、通路側はこんな大きなパノラマが広がります。
美味しいお米と日本酒が作られる田んぼの風景が続きます。


秋田駅到着は6時38分。
早く起きすぎて眠い(ρω・).。o○


果てしなく広がるような八郎潟の田んぼ。
向こうには男鹿半島の山並みが。


ここは大館市あたりの山の中。


弘前駅を出ると雪を冠した岩木山が見えてきた。
青森駅はもうすぐそこ。


定刻9:52に青森駅着。
潮風が渡るホームが心地良い。


まずは、前回も立ち寄った、立ち食いそば八甲田で朝ご飯。


今回は、かけそばじゃなくって山菜そば。
ちょっとだけ贅沢(笑)


青森での滞在時間は3時間。
駅のすぐそばにある「青森まちなか温泉」で朝風呂♪


お風呂上がりには、やっぱりビール。
「奥入瀬ビール」を買って、旧青函連絡船の桟橋前でマッタリ。
港を渡る潮風が、風呂上がりにとっても心地良い。


ビールを飲んでたら、青函連絡船「八甲田丸」のデッキに登りたくなった。
船内に入ると、景気のいいリンゴ売りがお出迎え。


そう、この景色が見たかったの。 


かつて本州と北海道をつないだ旧青森桟橋の可動橋。
前回もここでたたずんだが、貨物列車が連絡船に積み込まれていく姿が目に浮かぶ。


さて、マッタリと過ごした青森での3時間もそろそろおしまい。
13時ちょうど発の、スーパー白鳥19号で青函トンネルをくぐって北海道へ向かいます。
奥羽本線の特急と津軽海峡線の特急を乗り継ぐと、乗り継ぎ割引で青森からの「特急料金が半額!」なんです。


列車が走り出すと、お楽しみの駅弁の時間。


蟹田駅を過ぎると北海道が見えてきた!


線路のとなりでは北海道新幹線の建設工事が進行中。
速すぎる電車に興味がない私は、これの完成で影響を受けるであろう在来線とそこを走る寝台列車の存廃が気にかかる。


北海道上陸。
最初の停車駅は木古内。


製材工場が見えた!
思わずパチリ。


青森から1時間58分で函館駅に到着。
2時間半後の札幌行きスーパー北斗15号の指定席をとり、駅前をふらふら。
ちなみに津軽海峡線の特急と函館本線の特急を乗り継ぐと、乗り継ぎ割引で函館からの「特急料金が半額!」です。


まずは海の見える場所で深呼吸^^


キュンちゃんに見送られて、そろそろ函館を経つ時間。 


駅弁とビールをしっかりと買い込んで、スーパー北斗15号に乗り込む。
大馬力ディーゼルエンジンが勇ましく雄叫びを上げると、列車はぐんぐん加速。


斜陽の中に浮かび上がる駒ヶ岳のシルエットと大沼を眺めながら、今回の旅の最後のお楽しみは函館駅の駅弁「本ます押し寿司」。


こういう「いかにも駅弁!」って感じの弁当を一度食べてみたかったんですよね。
いやぁ~、美味かったです。
さらに、キオスクでサッポロ「クラシック」(北海道限定)が当たり前に買えることに、北海道へ帰ってきたことを実感。


スーパー北斗はスピードを上げて石狩平野を疾走。
窓の外には夕陽が見えていた。なんか、旅ももうすぐ終わりかと思うと名残惜しい。


札幌駅に帰ってきました。
毎度、疲労感漂う旅ですが、次回の構想は頭の中に。
懲りない「乗り鉄」の旅は、これからも続きます。