【2014年6月20日~22日】夜行列車・B寝台で2連泊、金曜夜の逃避行

寝台特急あけぼのが廃止され、今度はトワイライトエクスプレスの廃止が発表されるなど、夜行寝台列車は風前の灯火。
夜汽車に揺られ、目覚めれば非日常が待っている旅風情がいずれなくなってしまう…。後で後悔しないように、今、目の前にあるうちに旅に出よう! 
どうせやるなら、往復とも夜行寝台で連泊。妄想(笑)2年、ついに仲間4人で決行の日がやってきた。
JRグループ唯一の急行列車にして夜行、B寝台連結の我らが”ブルートレイン”「急行はまなす」で、いくぜ、青森へ!

【2014年6月20日】夜行急行はまなすで青森へ


急行はまなすは、札幌~青森間479.1キロを結ぶ夜行列車。札幌を22時に発ち、青森に翌朝5時半すぎに到着します。
札幌~函館間はDD51(ディーゼル機関車)、函館~青森間はED79(電気機関車)に牽引され、B寝台車、カーペット車、座席車による8両編成です。


いつもは一人旅、でも今回は、乗り鉄仲間4人旅。
1ヶ月前の寝台券発売日に何度も「みどりの窓口」に通って、苦労して手に入れた切符(青森往復切符)を手に、勤務終了後の21時過ぎ、札幌駅に集合!


ブルーのDD51に牽かれて、颯爽と急行はまなすが入線。
近づいてくる機関車のディーゼル音と車輪が刻む重厚なリズムにドキドキ。
さぁ、旅の始まりだ。 


元気に行ってきま~す。
まずは、お決まりの記念撮影。


急行はまなすのB寝台は、開放式の2段寝台。北斗星のような個室はありません。
旅は4人で1区画確保!   


では、みなさん「行ってらっしゃ~い」って私はお見送り・・・なわけないでしょ^^
急いで車内に戻りました。


22時ちょうどの汽笛とともに、静かに動き出す。
出発を祝して、みんなで乾杯!!  


出発して1時間もたつと寝台車内は減灯され夜汽車の雰囲気増幅。
ビール片手に車窓に流れる街の灯りを眺め、まったり。
明日に備えて、日付が変わる頃に寝台に入ってお休みなさい。

【2014年6月21日】路線バスで青森探検


いつの間にか青函トンネルも抜けて、5時39分、眩しい朝陽が差し込む青森駅に到着。


早朝の青森駅。
斜めに差し込む朝陽が、1日の始まりの期待感を増幅。 


まずは駅のそばにあって、朝6時からやっている「青森まちなか温泉」で朝風呂。
早朝にもかかわらず開店と同時に結構入浴客がいてびっくり。
入浴&朝食バイキングセットにしたので、お風呂でさっぱりした後は、お腹いっぱいの朝食をいただきました。


青森駅前8時10分発のバスに乗り行動開始。
最初に向かったのは特別史跡「三内丸山遺跡」。 


三内丸山遺跡は、今から約5500年前~4000年前の縄文時代の集落跡で、長期間にわたって定住生活が営まれていたそうです。
平成4年からの発掘調査で得られた知見等を基に、竪穴住居、大型掘立柱建物など集落の様子が復元されています。


さあ、タイムトンネルを抜けて縄文時代へタイムスリップ。  


縄文人がヤリを持って出てきそう。
大小様々な竪穴式住居がならんだ集落が復元されています。


これはたぶん食料などを保存した倉庫かな。


竪穴住居の中の縄文人から見られている(?)、現代人代表^^  


眩しい太陽に照らされたかやぶき屋根。
迫力を感じたのでこんなアングルで。


この大型竪穴式住居は、縄文時代の大集会場だったのだろうか? 
縄文時代にこれだけ大きな建物を建てていたとは驚きです。


これも、縄文時代にいったいどうやって建てたんだろう!ってうくらいの迫力。
この規模は、発掘された柱を立てる穴の大きさ、地面に掛かっていた柱の土圧、残っていた柱の残骸などから推定されるものだそうです。
縄文時代の大盆踊り大会のやぐら^^?
たぶん、儀式とかに関わりがあるものだったんだろうな。  


じっくり遺跡を見学した後は、つぎの目的地「青森県立美術館」へてくてく。
美術館なので撮影は不許可でしたが、マルク・シャガール作の超巨大な舞台背景画に圧倒され、寺山修司×宇野亜喜良の不思議な世界観に引き込まれ、棟方志功への理解も深まった、すごい美術館でした。


「あおもり犬」、奈良美智によって建築と一体化した作品。いろいろ自分なりの解釈考えてみたり。(撮影OKポイント)


青森限定! りんごサイダーで一休み。
とってもさわやかでおいしかったです。 


さて、バスで駅前に戻ってお昼ご飯にしよう。


今回の旅は、レンタカーを使わずに、徒歩&路線バスで青森を感じること。
行動半径は狭いけれど、たくさん見えるものがあります。  


懐かしさを感じる佇まいが続く、古川の商店街。


お昼ご飯は、古川市場名物「のっけ丼」。
食券を買って、市場内の魚屋さんを回りながら、いろいろな刺身をどんぶりご飯に乗せてもらいます。


どうです、豪華でしょ^^v
たまらない美味しさでした。
観光客してるな~って気分になります。


軒先でおばあちゃんが売っている、青森名物の「みそ生姜おでん」も美味しくいただきました。
生姜が効いたおでん。寒い季節に、津軽海峡冬景色♪聞きながら熱燗やったら染みるだろうな~。


アーケードが続く商店街には、駄菓子の卸屋さんが何軒かあり、「大人買いしたい!!」衝動に駆られます。


ちょっと歩き疲れたのベイエリアで休憩。
お土産なんかを下見したり。   


かつて本州と北海道の鉄道を「連絡船」とともにつないだ旧青森桟橋第2岸壁可動橋。
青森を訪れるたびにたたずむ場所です。
貨物列車が連絡船に積み込まれていく姿が目に浮かびます。
なお、八甲田丸とこの可動橋は日本機械学会「機械遺産」に選定されています。


連絡船「八甲田丸」では、同船の元機関長 葛西氏による船内未公開エリアガイドツアーに参加。
一般公開エリアは船内の6割。これに対して残り4割の未公開エリアは、これがホンとすごかった!!


計器類がならぶ機関室の壁。
思わず見とれてしまいます。


照明のない船内の奥地を懐中電灯で照らしながら、急な階段を下りたり、登ったり、狭い通路をくぐったり。
オイルの臭いが漂うなか、隅から隅まで見学させて頂きました。


制御板のならぶ機関制御室。
巨大なエンジンの始動手順などを説明して頂きました。


シリンダーブロックの点検の様子を実演する葛西元機関長。
航海中のアクシデントに対して2重、3重、4重の安全対策が施された連絡船の機構を、元機関長の視点で熱心に説明していただきました。
本当に貴重な体験でした。


当時の先端技術だった可変ピッチスクリュー。
八甲田丸に実際に装備されていた本物だそうです。


船内、登って、降りて、またいで、くぐって、歩いた歩いた。
潮風に吹かれながら奥入瀬ビールでのどを潤す。
美味い!  


青森といえば「ねぶた」。
その魅力にちょっと触れてみたくて、ねぶたの家「ワ・ラッセ」へ。


「これが街を練り歩くなんて!」展示されている昨年のねぶたの数々、圧巻でした。
いつか、ねぶた祭り見に来たいねって。ホンとすごいんだろうな。


だんだん陽も傾いてきた。
歩きに歩いたので、青い森鉄道に乗って「浅虫温泉」へ。 


青い森鉄道のイメージキャラクター「モーリー」が大きく描かれた電車です。


一日の疲れを温泉で癒していると、青森湾はサンセット。しばし見とれていました。


温泉でさっぱりしたら、お楽しみの晩ご飯の時間です。
再び青い森鉄道に乗って青森駅へ。


青森駅からベイエリアを歩いて、郷土料理の店「みちのく料理 西むら」へ。
残照をバックにシルエットとなった八甲田丸と青森ベイブリッジが美しい。


観光客なので(笑)、定番の「じゃっぱ汁」、「ホタテ貝焼味噌」そして銘酒「田酒」(でんしゅ)。
すべて郷土色いっぱいで、美味しくて大満足。
田酒にもすっかり酔いました。
追加注文をしながら帰りの列車まで時間調整。


「もう帰る時間になっちゃったね~」なんて話しながら青森駅のホームで、下りの急行はまなすの入線待ち。向こうのホームには、豪華寝台特急、あこがれのトワイライトエクスプレスが。 


さて、最後のアクティビティー。
帰りの夜行寝台列車を楽しみましょうか。


丸一日、大人と同じだけ歩いた小学2年生。
万歩計は2万歩をはるかに超えていました。偉かったね!
出発前の窓辺に満足顔の少年をパチリ。


急行はまなすの寝台車のエンブレム。  


出発の汽笛とともに、静かに走り出すと、流れゆく青森の街の灯りを眺めながら、まったりとビール。


地元産のおつまみをかじりながら、楽しかった一日をみんなで振り返りました。  


青函トンネルに入る頃まで、まったりと夜行列車風情に。
トンネルに入るとみんなの口数も少なくなり、意識も遠くなってきた。
名残惜しいけど、ベットにつきましょうか。
おやすみなさい。

【2014年6月22日】 


翌朝、気づくと臨時停車中。車内放送で「公衆が線路内に進入しており警察が向かっている」とのこと。
急いでいるわけではないので、一時間無料延長サービスみたいなもの^^、、、ベッドでそのままウトウト。
さて、車窓は見慣れた景色に。苗穂駐屯地前通過。


いつもの街に帰ってきちゃったね。 


約1時間遅れで札幌駅到着。
楽しかった旅を振り返りながら、それぞれの帰路につきました。


さて、私もいつもの電車で…でも、その前にこの香りに誘われて、恒例の夜行明けの立ち食いそば^^  


いつもの、かけそばだけど。
旅の終わりの、かけそばは何かが違う(笑) 


次はいつ旅に出られるかな。
また「行くぜ東北!」
みなさんお疲れ様でした。