【2012年5月12~14日】八王子~高麗川~高崎~新前橋~上野~札幌
   
青函トンネルがまだ開通していなかった子供の頃、海を隔てた本州の夜を駆け抜ける~夢の列車「ブルートレイン」の旅にずーっと憧れていた。そんな夢が叶ったのは就職した次の年。
それ以来、首都圏へ出かける際、スケジュールがあえば寝台特急☆北斗星に乗ってきた。夜行列車の風情、列車が刻むリズムに微睡みながらゆっくり流れる時間。なんとも言えず、いいんだな~。
北斗星は1988年の運行開始。闇夜の札幌~上野間、1,215キロを16時間かけて駆け抜ける、JR第2位の長距離列車なのさ。(ちなみに1位は、寝台特急トワイライトエクスプレス(札幌~大阪))


ここ何年か乗っていないな~と思っていたら首都圏へ行く用事が降ってきた。行きは都合で飛行機を利用したものの、帰りは寝台特急☆北斗星のB寝台・ソロ(個室)をキープ。
特割の飛行機に比べて”コスト3倍!、所要時間8倍!の贅沢な旅”に出発!

【2012年5月12日】


今回の旅の起点は八王子駅。まずは群馬へ墓参の道のり。
時間的には中央線を回って特快に乗るのが普通なんだけど。
首都圏の喧噪と無縁なローカル線風情漂う「八高線」(八王子~高崎)に乗るのが毎度の楽しみ。 


14時38分発の川越行きの普通列車1461Eで高麗川へ。


電化されている高麗川までは今風の通勤電車で。


40分ほどの乗車で高麗川到着。


高麗川で下車すると隣のホームにはローカル線風情あふれるディーゼルカーが待っていました。


ここからは、うなるエンジンの鼓動が心地よい気動車の旅。
15時46分発243D列車で高崎へ。  


山あいを抜ける単線、時々列車交換をしながら進むローカル線。車窓が気持ちいい。


車窓が平野の景色に変わると、もう少しで高崎。
そして、乗り換えて新前橋駅で下車。


1時間半の気動車の旅を終えて、祖父の墓参りへ。
無事にお勤めを終えて、今夜は高崎泊。

【2012年5月13日】


今日は新前橋駅を昼過ぎに出発。順路的には北斗星には大宮から乗るのことになるのだが、やっぱ始発駅・上野から乗りたい!
上野に着いたら、お弁当、おつまみ、ビールにワインを沢山買い込み、北斗星が待つ13番ホームへ!


上野から北斗星をけん引するのはブルーの塗色がまぶしいEF510電気機関車。
夜更けの東北本線を駆け抜ける「頑張ろう東北!」 


ブルーの車体に、金色のエンブレム。
長距離・夜行列車風情を盛り上げます。


オハネ25。
 オ…客車(機関車がけん引する)
 ハ…普通車
 ネ…寝台車


早速乗り込んで、私の部屋はどこかな~。 


ありました!


B寝台個室なので豪華さはないけれど、この程よい狭さがまたいいのです。
列車番号「1」、寝台特急北斗星19時03分出発!定時!進行!
ゆっくりと加速していく(機関車がけん引する)客車列車ならではのリズムに気持ち高ぶる^^ 


家路を急ぐみなさんの横を通り過ぎる~流れる車窓。


北斗星には食堂車が連結されていて、流れる車窓を眺めながらのディナー…というのもあるんだけど、これは未だ実現しない夢^^
駅でちょっとだけ贅沢して買い込んだ、お寿司と焼き鳥とヱビスで、至福の時間。  


車窓は大宮を過ぎ、ホームの人影もまばらな郊外へ。
お腹もいっぱいになったところで、シャワーでも浴びてこよう。
列車の中でのシャワータイム。揺れてるだけですが、なんかうれしい時間。  


シャワーを浴びてさっぱりしたら。
1人でバータイム気分。
駅で買い込んだ、ワインとバスケット、チーズを並べます。
個室の照明を間接照明に変えて、流れる街の灯りを眺めながら微睡む時間。  


郡山駅21時53分。
人気のないホーム。


福島駅22時27分。
これ以降、夢見心地で意識不明。

【2012年5月14日】


青森駅で青函トンネル用の電気機関車ED79に取り替えて、進行方向が変わったのも、青函トンネルをくぐったのにも気づかずに、目が覚めると北海道。 


函館駅は6時43分発のはずだが、すでに1時間遅れの7時半過ぎ。
眠っている間、強風で徐行運転だったらしく、札幌到着は2時間遅れの予定。
普通なら怒りたくなるところだが、のんびり旅の私にとっては”無料で2時間延長!”の大サービス^^


函館駅では機関車をディーゼル機関車DD51の重連に取り替え。
機関車の交換作業を撮るのは、毎度、函館駅での儀式^^ 


連結を見届けたら急いで客車へ戻ります。


重連のDD51の力強いエンジン音が函館からの旅を盛り上げる!


北斗星専用塗色のDD51に輝く流星マーク。 


駒ヶ岳と噴火湾をバックに初春の函館本線(海線)を駆け抜ける。


ここはどのあたりかな。丸太が積み上げられた由緒正しい?沿線風景にシャッターを切る。   


個室のドアを開けて廊下側の車窓は、やっと若葉が開きだした初春の北海道の風景が流れる。


特急列車なのにゆっくり走る北斗星。
特急スーパーおおぞらに追い抜かれながら、お昼過ぎに終着・札幌駅着。
至福の時間もこれで終わりかと思うとホント名残惜しい。
そんな気持ちを振り払って、現実の世界へと下車^^ 


そうだ!、旅の終わりに、もう一つささやかな贅沢をしよう!
いつもは、かけそばだけど「月見ひとつ!」  


さて、お家へ帰ろう^^


夜行列車が廃止されていく昨今だけど、私にとって夢の列車・寝台特急☆北斗星はいつまでも走り続けて欲しいな。 
次はいつ乗れるかな…・夜の旅の続きを妄想しながら家路につきました。
「いやぁ~夜行列車の旅って、ホントいいもんですね^^」
おしまい。