【2015年8月30日】

3年間暮らした思い出の島

「礼文島に転勤したい!」って手を挙げたのは、まだ20代だった18年前。
そして、その数ヶ月後、念願叶って期待と不安を胸に赴任。全力(自称^^)で走った3年間。
沢山のすばらしい人たちと出会い、楽しかった日々。その思い出を胸に島を離れてもう15年。
思い出は歳を重ねるごとに大きく重く。でも、ずっと遊びに来たいと思ってた。
そして、今、射程距離内の兜沼でキャンプ中。


朝4時に目が覚める。
「やっぱり礼文島に行きたい!」
今から稚内港へ車を走らせれば、朝1便のフェリーに間に合う。こんなに近くにいるんだ「行こう!」
日本最北限の離島は稚内から約60km、フェリーで約2時間、ボレアース宗谷に乗船。


私が礼文島にいた頃にはなかった新造船。
きれいなフェリーです。


朝陽に輝く最北の海。もう北海道は視界の外に。
17年前の礼文島着任の日を思い出しながらデッキに立ち尽くす。


観光シーズンが過ぎた2等船室はゆったり。
札幌からの夜行乗り継ぎでお休み中の方が多いかな。


デッキに立つと懐かしい潮の香り。
そんな心地よい風にずーっと吹かれていたい。
船室にいるなんてもったいなくて。
利尻島の前を過ぎるともうすぐだ。


礼文島が見えてきた。
何もかもが懐かしく、熱いものが込み上げてくる。


香深港フェリーターミナルにもうすぐ着岸。
心拍数上がる^^;


船を下りると、あちこちに懐かしい顔が。
うれし過ぎる^^


バイクに乗ってさらに北へ
礼文島は周囲約72km。本当はひたすら歩きたい。
でも今回は行きたい場所が沢山ある。
まずはバイクで最北限を目指す。  


「島を愛するキャンパーの植樹」1999.9.26
朝6時に集まってみんなで植えた木々、大きく育ってる。
あれから16年・・・、最北限では成長はとても遅いが、しっかり根付き、確実に伸びている。


あの頃、子供が無事に生まれてきますようにって、毎日、ジョギングがてら、お参りに通ってたんだよな^^


香深港から約30km。
最北限の岬「スコトン岬」から、かつては住民がいたトド島を望む。 


礼文島は花の浮島とも呼ばれ、その気候から海抜ゼロメートルから高山植物が咲き誇る。
花の季節のピークは過ぎても、道端には旅人を和ませるかわいらしい花々が。


その青さに吸い込まれてしまいそうな澄海岬、背後にはゴツゴツしたゴロタ岬。
しばし足を止めて見入ってた。


あの頃、毎日通った大沢の林道。
バイクを降りて歩くよ。  


お! こんなに育ってる!!
厳しすぎる自然環境の下、防風柵の高さ超えるだけでもやっとかなと思っていたのが、もう4mは超えているアカエゾマツ\(^O^)/


グイマツ、樹高は伸びないけれど、ずいぶん太くなってる。


広大な山火事跡を復元するプロジェクト。
厳しいなんてもんじゃない気象条件、でもアカエゾマツは着実に成長中。
ここは島の水源地、広大な森林に還る日がきっと来る。


江戸屋山道からトド島を望む。
海がほんと青い!!  


礼文林道の入口にバイクを停めて、あの場所まで。


森を抜けると、まぶしい日差しから逃げ場なし。
青い空、青い海、砂利道からの照り返し、あの日々を思い出す。


だいぶ登ってきた。  


空が近くなってきた。
晩夏の太陽に照らされて輝く、まぶしい笹原。
そのギラギラ感も懐かしい。幾度となく通った道。


やっと礼文林道の頂上まで登って来たぞ。


歩みは遅いけど、しっかり育ってる。ここがアカエゾマツの森に還る。


植えられて16年が過ぎた。樹高は2m・・・。
あの厳しい冬を考えたら、根付いているだけでもすごいと思う。
頑張れアカエゾマツ^^  


だいぶ陽が傾いてきたけど、桃岩歩道をゆっくりと。
ここもあの頃、毎日のように歩いた道。この時間の優しい光の中、歩くことの心地よさ。


いつまでも眺めていたい光景。


影を入れて、自分の存在を誇示したりして^^


これくらい陽が傾いた頃、ここにたたずむのが好きだったな。
どうする?、もうすぐ最終便のフェリーの時間だ。

やっぱり今夜は島に泊まろう。

島には日帰りのつもりで渡ってきた。
でも、歩いて行きたい場所がまだまだ沢山ある。これで帰ったら次はいつになるか。
幸い、汗かきな分、着替えも十分持ってきてる。素泊まりの宿も取れた^^v 
キャンプ場の管理人さんに「今日は戻れない」って電話もした。
よし!、一泊するぞ。


礼文島で暮らした3年間、当時住んでいた家の前から毎日見ていた景色・・・仕事が終わった夕方、ほんとのんびり利尻島を眺めてたよな。


陽も暮れたし、礼文島温泉「うすゆきの湯」へ。
熱めのお湯が歩き疲れた体に染みる。


夜はやっぱりこれ。
礼文島の郷土料理「ホッケのちゃんちゃん焼き」。
思い出の味、ビールとともに染みてくるわ。
島を離れた後も親しくしてもらっている方と楽しく思い出話。 


今夜は月夜。
ほろ酔い気分で香深港から夜の海に浮かぶ利尻島を眺め、礼文島で暮らした3年間と今日1日を振り返る、気持ちのよいひととき。
さぁ、明日も思いっきり歩くぞ~。おやすみなさい。