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行くぜ!さいはて礼文島(3)~礼文島トレイル8時間コース [バイクキャンプ]

【2019年8月26日】

久種湖畔キャンプ場(礼文町)

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礼文島は小さな島だと思ってる人が多いけど、周囲は約72kmもあって結構大きく、南北約26km、東西約8kmの南北に伸びています。
主な集落と道路は東海岸側にあり、西海岸側は断崖絶壁が続き、つながった道路はなく、礼文島は車で1周することはできません。
この断崖絶壁の続く西海岸には「礼文島8時間コース」(公式には「8時間コース」+「岬めぐりコース」)と呼ばれる、無人境を行くトレイルが続いていて、今日はこのコースを1日かけて歩きます。

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礼文島8時間コースを歩くためには、朝一番のバスに乗り、島の最北端にあるスタート地点「スコトン岬」に降り立たなければなりません。だから、今朝は早起き(笑)。しっかりと朝ごはんを食べなきゃ歩けませんから。

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礼文島にはこの地図のようなトレイルコースがあります。これらは整備された遊歩道ではなく、かつて車や車道がなかった時代の集落や漁師の番屋等への通い道であり、登山道や獣道のような道と言った方がイメージできるかと思います。

私のような古くから(?)の旅人が「8時間コース」と呼ぶものは、近年作られた礼文島トレイル公式WEBの表記では、この地図と同様に「岬めぐりコース」と「8時間コース」を合わせたものとなります。
今日は最北端のスコトン岬からひたすら歩いて、無人境を抜け、香深井の集落がゴール地点。
海抜0mの海岸から岬を登って、また0mへ下りることを何度も繰り返す、高低差約300m、延長24.7km(これは水平距離だから、斜距離にするともっと長い!!)の山岳縦走みたいなコースです。
礼文島トレイルの公式WEBでの参考タイムは約11時間とされています。


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キャンプ場の近くの浜中から朝一番のバスに乗りました。

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7:30に終点「スコトン岬」バス停に到着。

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バスを降りたら、まずは島の最北端「スコトン岬」まで歩きます。その先に見えるのは無人島の「海驢島」(とどじま)です。

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前半はスコトン岬~西上泊(にしうえどまり)分岐までの海抜0m~断崖絶壁の岬登り~そしてまた海抜0mの繰り返し。アップダウンがかなりきつい道のりです。

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8:00にスコトン岬をスタート。この先に見えるいくつもの山みたいな岬を越えていきます。

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交通安全、そして山火事注意!!

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道道507号から分岐し江戸屋山道へ入ります。

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江戸屋山道から鮑古丹(あわびこたん)の海岸へ下りていきます。そしてその先(写真右上)に山のように見えるゴロタ岬を海抜0mから登ります^^;

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鮑古丹(あわびこたん)は無人の集落。だんだん近づいてくるゴロタ岬。登るのが恐怖です^^;

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息が切れる山道を上がっていきます。額には汗がにじみます。最初の難所です。きつい!!

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ふーふー言いながらゴロタ岬を登り切って振り返ると絶景。あそこから来たんだよ!!

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苦労して登ったゴロタ岬。下りたくはないんだけれど、なだらかな尾根を歩きます。
その先には手強そうな岬がいくつも遠望できます^^;

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はるか下の海岸まで下りるんだな^^;

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尾根から急な階段を下って鉄府(てっぷ)の海岸まで下りてきました。さっきはあの岬の天辺にいたんだよな~。

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鉄府(てっぷ)の海岸をてくてく歩きます。

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そして振り返ると、これまで歩いてきたゴロタ岬の絶景が・・・あの一番高いところまで登って、そして下りて来たんだよ。

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鉄府の海岸から澄海岬(すかいみさき)まで登ってきました。ゴロタ岬と比べたら低いけど、登りはつづら折りの急傾斜。きつかった~。

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せっかく登った(笑)澄海岬から西上泊(にしうえどまり)の海岸に下りる途中にある神社に参拝。

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澄海岬の入り江は、その名のごとく澄んだ青い海!!

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きれいな入り江でしばし休憩したら西上泊分岐まで登って後半戦へ。
スコトン岬~西上泊分岐までの参考タイムでは4時間半。
私は8:00スタートで現在10:57。3時間でここまで来ているから、まだまだ余裕^^v

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西上泊分岐からはゆるやかな登山コース。標高約300mまで登り、アナマ岩の海岸へ下ります。

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さて、西上泊分岐のゲートから入ると完全なる無人境。この先約13キロはエスケープルートもなく、泣いてもわめいても(笑)ひたすら歩いてゴールを目指すしかありません。覚悟を決めて後半戦に臨みます。

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緩やかに丘を登っていくと礼文島の船泊地区の水源林が見えてきました。
ここは明治時代の山火事跡で、20年前までは寥寥たる笹薮が続く荒れ野だったのが、植栽された木々が厳しい自然環境と闘いながら成長し、森が育っていました。

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礼文島の森林官さん、看板壊れてるよ~!!

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私より先にスタートした人たちに追いつきました。笹薮の続く丘を抜けると森林地帯へ突入です。

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森の切れ間から海が見えました。かなり高いところを歩いているのがわかります。

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断崖絶壁と青い海を見下ろしながら進みます。

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そしてまた森の中へ。

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深い森を抜けると崖・・・滑落した助からんぞ(;^_^A

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この崖を海岸まで一気に下ります。

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見下ろすとかなりの急傾斜。張られたロープをつかみながら恐る恐る進みます。

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無事にアナマ海岸まで下りられましたε-(´∀`*)ホッ
ここまでの参考タイムは8時間。8:00にスタートして現在13:10なので5時間10分経過。まだ約3時間の余裕があります。
でも、ホッとしたのもつかの間、砂浜に足を取られて、体力がどんどん奪われていきます^^;

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そして岩ゴロゴロ地帯が1.2kmも続きます。
岩を一つ一つ乗り越えていくのが疲れた足にはかなりのダメージ。
かなり休み休み進みました。
たった1.2kmがこんなに長いとは(。´-д-)。。

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へとへとになって振り返ると歩いてきた岩場の絶景が。

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涼しげな滝に癒される~。ここまで来れば宇遠内(うえんない)の集落はもうすぐ。

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歩いてしか来れない秘境「宇遠内」の集落キタ――(゚∀゚)――!!
やっと無人境を抜けたぞ~。

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最後の難所「宇遠内山道」に入ります。
つづら折りの急傾斜が続き、10m進んでは足が止まり、息が苦しい。

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歩く人もほとんどいないような山道。ここで倒れたって誰も助けてくれないぞ。

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空が近い。もうすぐ峠の頂上のはずだが、数歩進んでは呼吸を整えるような状態。
「俺ってこんなに体力なかったべか?」と自問自答。
疲れ切った身体は「もう歩きたくない」と何度も悲鳴を上げた。
水戸黄門の主題歌「泣くのが嫌なら、さあ歩け~♪」が頭の中でヘビーローテーションしまくりまくったころ頂上へ到達。
あとは下るだけ~。

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ついに宇遠内山道を抜けて礼文林道へ出た~!!

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砂利道だが車が走れる道までたどり着いたことに涙が出そう(笑)

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礼文林道を歩き、本日のゴール地点「香深井」(かふかい)の集落へ出た~。
山あり谷ありの25km歩き切った~\(^o^)/
参考タイム11時間に対し7時間7分で踏破。疲れるわけだ・・・ハイペース過ぎ。もっとゆっくり歩けばよかったかも^^;

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キャンプ場へ戻るバスを待つ間、目に留まった自販機で「最高に美味い」コーラを飲んだ!!

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お迎えのバスがキタ――(゚∀゚)――!!

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キャンプ場に戻ると夕暮れの時間。疲労困憊過ぎて何もする気が起きない。

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呼吸が落ち着いたら管理棟でシャワーを浴びてさっぱり。今夜は居酒屋で一人祝杯だ(笑)

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キャンプ場の管理人さんに教えてもらった、漁師さんがやっている居酒屋へ。
漁期のため不定休とのことだったが幸運にも営業していた。
今日は奮発して刺身の礼文スペシャルだ(笑)。
エゾバフンウニ、ムラサキウニ、アワビ、ツブなどたっぷりと盛り合わせてくれ、なんか罰が当たりそうな、幸せ過ぎる、夢のような夕食。冷酒を飲みながら、一切れ一切れ味わいながらいただきました。
ほんと美味かった\(^o^)/

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帰りは人気のない夜道を足を引きずりながら(笑)キャンプ場へ戻りました。これでは明日は歩けないな。

礼文島8時間コースはこれまでに何度も歩いていますが、この礼文島を制覇したような達成感、無人境を歩いた者にしか見ることができない脳裏に焼き付く絶景など、言葉では言い表せない魅力がある素晴らしいトレイルです。これだけ疲れても、もう、また次を考えてる(笑)
観光バスで島内の観光スポットを数時間で回って帰っていくツアー客の皆さんは、この絶景の数々を見てないんだよな~。もったいない。
さて、今夜は一瞬で爆睡だな。いい夢見れるかな。お休みなさい。

4日目へつづく

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