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弘南鉄道で黒石こみせへ [ブルートレインの旅]

【2016年1月30日】

JR奥羽本線~弘南鉄道・弘南線~大鰐線

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目が覚めれば青森。
まだ夜が明けきらないホームで、同じ夜汽車で過ごしたみなさんと一緒に、回送されていく「急行はまなす」を見送ります。
寝台特急「北斗星」、「あけぼの」もそうだったけど、降りた客が見送る「ブルートレイン」という列車は特別な存在。

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青森での朝一番は、毎度おなじみ(笑)の「青森まちなかおんせん」で、心身の再起動!!

奥羽本線に乗り弘前へ

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津軽「てくてく歩き」1日目の目的地は、黒石市にある江戸時代の町並みが残る中町通りの「小見世」(こみせ)。
まずはJR奥羽本線で黒石への分岐駅である弘前へ向かいます。  

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「ようこそ白神の玄関へ」。
弘前駅の駅舎にはまぶしい朝陽が差し込みます。 
JRの改札を抜け、隣にある”弘南鉄道”の弘前駅へ向かいます。

弘南鉄道・弘南線で黒石へ

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”弘南鉄道”の弘前駅。
弘南線は弘前駅から黒石市の黒石駅間16.8kmを約30分で結んでいます。  

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弘南鉄道では、東急電鉄から譲渡された東急7000系電車が走っています。
昭和37~41年頃の製造なので、もう50年走り続けている、懐かしい風情の電車です。

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低予算、列車&てくてく歩き旅の強い味方「津軽フリーパス」。
エリア内のJR線、弘南鉄道、津軽鉄道と甲南バスが2日間乗り放題。
しかも、無料で入れる温泉があったり、各種割引サービスが受けられる施設もいっぱい。
これで2,060円はスゴい!!
個人客を2日間がっちり周遊させて、がっちり地域にお金も落としてもらおう(笑)って、やる気満々な切符です。

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カタン♪コトン♪と繰り返すリズムに身をまかせて30分。
黒石駅に到着です。  

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弘南鉄道には、こんなにスゴい機関車とラッセル車があります。
大雪の日は豪快に雪を飛ばしながら走ります。
電気機関車ED33は大正12年(1923年)にアメリカのウエスチングハウス社で製造されたもので、昭和36年(1961年)に現・西武鉄道から弘南鉄道に譲渡されたもの。
ラッセル車 キ100は昭和4年(1929年)製で、昭和43年(1968年)に国鉄から譲渡されたもの。
どちらも未だに現役というのがスゴすぎる!!

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黒石駅の駅舎はこんな感じ。
さて、観光地図も手に入れたし、てくてく歩くぞ~!!

藩政時代からの”アーケード街”中町通りの「こみせ」を歩く

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てくてく歩いて、やって来ました中町通りの「小見世」(こみせ)。
まるで江戸時代にタイムスリップしたみたいな通り。これが見てみたかったのです。
「こみせ」は、藩政時代から今に残るアーケード状の通路で、現在もまとまった形で残されているのは黒石だけとのこと。かつてこの通りを、侍、町人、馬や荷車が行き来していたんだな~。

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こみせは、夏は暑い日差しを遮り、冬は吹雪や積雪から人を守り、軒を連ねていた旅篭や呉服屋、商家にとってはなくてはならないものだったそうです。 

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「こみせ」にはかつて11もの酒造業者があり、現在は2社が伝統を受け継ぎ酒造りを続けています。
ここは、その1つ、文化3年(1806年)創業、「菊乃井」で知られる鳴海醸造店。

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「試飲できます。お気軽にお入りください」に誘われて(笑)
銘酒の数々を試飲させてもらいました。
スゴく美味かったので、重いビンを3本も買ってしまい…早くも宅配のお世話に^^

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歴史がしみこんだ、心地よい「こみせ」をほろ酔い気分で。

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結構歩いたので、お腹もすいてきた。
この町のB級グルメは「黒石やきそば」。これは楽しみ^^  

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うどんじゃないよ。
「黒石つゆやきそば」は、太平麺と甘辛いソースが特徴の『黒石やきそば』を器に入れそばつゆをかけて、最後にたっぷりの揚げ玉とネギを盛りつけるのが特徴。
するっと完食。

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続いて大正2年創業の「中村亀吉酒造」へ。
前回の津軽旅の居酒屋で「亀吉」を飲んで、その美味さが印象的だったんだよね。
ここの酒蔵で作られているんだなと、ほろ酔い気分の感慨。

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酒蔵の軒先には「杉玉」が吊されていました。
スギの葉を集めてボール状にしたもので、日本酒の造り酒屋などの軒先に緑の杉玉を吊すことで、新酒が出来たことを知らせるものだそうです。  

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この通りでは消防署の建物も歴史の生き証人。
屋根の上に伸びる「火の見やぐら」が、より一層、そう感じさせてくれます。

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この町の歴史をもうちょっと知りたくて、こみせを抜けて「黒石神社」へ。    

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さらに歩いたのでまた小腹が空いてきた。
「つゆ」がかかっていない「黒石やきそば」も食べてみたい。
「津軽百年食堂」とは、青森県が提唱する「津軽で3代、100年以上続いている食堂」のこと。

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老夫婦(4代目)が営んでいる「須郷食堂」は大正元年創業。
丼物、ラーメン、カレー、チャーハン…豊富なメニューに、心がブレそうになるが「黒石焼きそば」を注文。
こっちの方が、私は好みだな。大盛りにすれば良かった。 

また「大鰐もやしラーメン」が食べたい!!   

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昼過ぎまで黒石の街をてくてく歩いた後は、前回の津軽旅で美味さに感動した「大鰐もやしラーメン」を再び食べるために(笑)、大鰐町へ。

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まずは、黒石駅から弘前駅へ戻ります。  

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ガランとした昼下がりの電車に心地よい日差し。
電車が刻むリズムが眠気も誘います。

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JR弘前駅から奥羽本線に乗り換えて大鰐温泉駅到着。

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前回の津軽旅では日没後に立ち寄り、大鰐もやしラーメンを食べて、温泉に入っただけだったので、今回は観光地図を片手に、てくてく歩きます。
駅前には前回は無かった「足湯」ができていました。  

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まずは、大鰐町のほぼ中央に位置し、「大鰐の大日様」として篤い信仰を集める「大円寺」へ。

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手水舎の龍神様も氷に閉ざされて^^;  

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朱色の門の両側には金剛力士像。
寺院内に仏敵が入り込むことを防ぐ守護神。
その刀が振り下ろされることもなく、ちゃんと私は通してくれました(笑)

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大鰐町の中心部を流れる平川。
その傍らには800年の歴史がある大鰐温泉の、いくつもの温泉宿が連なります。
この建物も、かつて旅館だったかのような佇まい。

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温泉の水が流れ込んでいるためか、水温が周囲より高いようで白鳥の群れが羽を休める河原は、その鳴き声でとても賑やか。

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<湯魂石薬師堂>
文禄2年(1593)津軽藩を開いた津軽為信公が眼病にかかり、「大鰐の湯で目を洗えば治る」という薬師如来のお告げを夢に見て、大きな石の下から湧き出る熱湯を発見し、その熱湯で目を洗うと眼病が快癒したそうです。  

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為信は感謝の意を込め、この大石の上に祠を建立し「湯魂石薬師堂」と名付けたそうです。
源泉の温度は75度。熱くて手は入れられません。

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さて、やってきました山崎食堂。
ここも「津軽百年食堂」です。  

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大鰐もやしラーメン」を注文。
できあがるまで、キリンラガービール^^
歩き疲れた体に効く~!!

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大鰐町に伝わる伝統野菜「大鰐温泉もやし」の出汁の香りがたまりません。
スープの中に見えるのは麺ではなく、この大鰐温泉もやしです。
本当の麺はその下に隠れています。
店主に「また食べたくて札幌から来ました」と話すととても喜んでくれました。
いや~美味かった。
たぶん、また食べに来ると思います^^

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今夜は弘前市に泊まります。
電車の時間まで、駅前の「足湯」へ。
1日歩き回って疲れた足に、とっても効く~!!  

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JR大鰐温泉駅前のワニに見送られ、隣の”弘南鉄道”の「大鰐駅」から弘前へ戻ります。

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弘前へはJR奥羽本線ではなく、弘南鉄道の大鰐線に乗って戻ります。

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誰もいない夕暮れのホームには、懐かしい顔をした電車が待っています。

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この時間は乗る人も疎ら。電車の窓から漏れる光が温かに感じる夕暮れ。

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弘南鉄道の大鰐線は、大鰐駅から弘前市の「中央弘前駅」の13.9kmを30分で結びます。  

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通勤通学客を乗せて、終点「中央弘前駅」到着。

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弘南鉄道の中央弘前駅は行き止まりの終着駅。
JR弘前駅とは1.3kmほど離れています。
今日の泊まりは、弘前駅前のホテル。
あえて1.3km、弘前の繁華街を歩いて戻ります。

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今日も知らない町をてくてく歩いて、良い旅の一日となりました。
中央弘前駅から大鰐駅へ折り返す電車を見送って、今日一日を振り返る「晩酌」へ。
明日もいっぱい歩くぞ~!!

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