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遠いところへ行きたい夏休み⑤~キハで行きたい北の駅 [乗り鉄]

兜沼公園キャンプ場(豊富町)

【2015年9月2日】

知らない駅でふらっと降り、知らない町を歩き、その町の歴史、暮らし、そして空気を感じることが好きだ。
宗谷本線には、降り立ってみたい駅がいくつもある。
今日は1日、列車に乗って、ふらっと降りた駅で次の列車をのんびり待ってみる。

兜沼駅>徳光>豊富>下沼>幌延>上幌延>南幌延>安牛>雄信内>糠南駅

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朝靄の中現れた、兜沼駅6:34の上り始発列車で出発。

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兜沼駅の午前中の時刻表。
都会とは比べものにならないが、まずまずの本数。
だって、この後は・・・  

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約1時間で「糠南駅」到着。
板張りのホームは列車一両分よりも短い。
人家もまったく見当たらない牧草地の真ん中に、私一人を下ろして列車は行ってしまった・・・。

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板張りのホームは風情ばっちり。

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停車する列車は、1日たったの5本。
7:29に降り立った私を次に乗せてくれる列車は16:15。
実に9時間後^^;   

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無人境故に通過する列車が大半のこの駅。
さすがにここで9時間もつぶすわけにはいかないので、停まる列車が多い隣の駅まで歩きます。

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廃屋すら見当たらないと、ここに暮らしがあったことを想像するのはちょっと難しいな。  

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てくてく隣の「問寒別駅」へ、約3キロの緩やかな山道を歩きます。

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一山越えると幽玄な林の中に問寒別神社。
周りに人家は全くないが、地域の信仰のよりどころとして大切に守られているのがわかる。
お参りして、また歩き出す。   

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山を越えて最初の人家。
懐かしいたたずまい。

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のんびり歩いていると、どこにでもある道端の草花にまでレンズを向けたくなる。  

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約1時間歩いて、お隣の問寒別駅に到着。

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駅舎はリフォームされ、とてもきれいで居心地よく。
もちろん地域の皆さんが駅を大事に守っていればこそ。  

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さっきの糠南駅に比べると列車の本数が多く、ちょっと都会と錯覚。
次の列車は、約1時間後の10:06。

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のんびり過ごせるこんな駅には、誰が置いたか「駅ノート」。
旅人が自由に書き込む雑記帳。
みなさんの旅のエッセイ、じっくり読ませてもらってから、私も一言。  

問寒別駅>糠南>雄信内駅

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10:06、迎え(笑)の下り列車がやってきた。
次は2駅戻って「雄信内駅」へ向かいます。

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原野の中に続く線路をキハ54がコトコト進む。

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10:14雄信内駅に降り立つ。次の列車は2時間後・・・。

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山あいにある風情のある駅舎。  

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だれがかけたのかな。折り鶴が列車の安全運行を見守っています。

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かつては、この駅にも駅員がいて、駅前には集落があり、待合室は列車が到着するたびに賑わったんだろうな。  

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駅正面に出てみた。
なかなかいい感じの木造駅舎。

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さて、駅前一等地は・・・。

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駅前の通りに出てみた。

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駅前にあった集落はすでに無人境に。

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倉庫は牧草置き場に。

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小学校も門だけが当時を語る。

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ここにあった暮らしを覆い尽くすハンゴンソウ。

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現在の雄信内のメイン集落は、天塩川を渡った対岸にある。
ここまで渡ってくる利用者は1日に何人いるのだろうか。

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無人の駅舎の窓にかかる年代物のホウキが何か語っているような。

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「駅ノート」にはいろいろなエッセイが。 

雄信内駅>糠南>問寒別>歌内>天塩中川>佐久>筬島>音威子府駅

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2時間は長いようで、意外に短く。
無人境を歩き、いろんなことを考えたりしていたら、もう迎えの列車がやってきた。
12:14の列車で音威子府に向かい、お昼ご飯の予定。

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50分ほど列車に揺られ、音威子府駅到着。
音威子府村は、北海道で一番小さな村。
かつては鉄道の分岐点であり、この地域の物流の要として賑わった村。
今は人口790人。

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さて、お昼は名物の「音威子府ソバ」を・・・。
定休日( ̄Д ̄;) ガーン  

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しかたない、パンでも買おう・・・。
シャッター街を明るくきれいに!

音威子府駅>筬島駅

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不本意な昼食となったが、次へ進もう。
音威子府は有人駅なので切符購入。
お隣の筬島駅へ。  

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宗谷本線の北線(名寄~稚内)のマーキングが付いたキハ54。13:55発車

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音威子府~筬島間は音威子府渓谷を走ります。

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7分でお隣の筬島駅に降り立つ。
この集落には、ずっと来たかった彫刻家「砂澤ビッキ」の記念館がある。  

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次の列車までは2時間半。
駅前通(笑)を抜けて記念館へ向かいます。

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砂澤ビッキ記念館「アトリエ3モア」は、旧筬島小学校の校舎を利用しています。

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砂澤ビッキは、初期には阿寒湖畔と鎌倉、その後札幌を制作の拠点としたが、1978年からはこの音威子府村筬島の小学校跡にアトリエを構え、亡くなるまでの十余年、精力的に木彫作品を製作していました。

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砂澤ビッキの魂が漂う空間が広がっています。

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中にある喫茶は、かつて札幌にあった、砂澤ビッキがデザインしたスタンドバーを移設したもの。
この空間はコーヒーで酔えます。

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砂澤ビッキのアトリエもそのままに。
今までに感じたことのない空気に圧倒される空間でした。

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2時間たっぷり砂澤ビッキの創り出した空間にひたり。
筬島駅に戻ると、駅舎の窓枠が集落を映し出す額縁に思えてきました。

筬島>佐久>天塩中川>歌内>問寒別>糠南>雄信内>安牛>南幌延>上幌延>幌延>下沼>豊富>徳光>兜沼

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陽が暮れかけたホームでたたずんでいると谷間に踏切の鐘と、鉄路が刻む心地よい音が響く。
16:38「青春18きっぷ」のポスターのような光景のなかを列車がやってきた。
今日の締めくくり、兜沼公園キャンプ場へ戻ります。

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牧草地を駆け抜ける車窓は、夕焼けの向こうに利尻富士。

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1時間半ほど列車に揺られ、陽もとっぷりと暮れた頃、兜沼駅下車。 
キャンプ場隣接のいい駅です。

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旅の余韻にひたりながら、去って行く列車を見送る。
今日もいい1日でした。

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