敬老の日~母を連れて北上キャラバン(2)
クッチャロ湖畔キャンプ場(浜頓別町)
【2021年9月24日】
2日目の朝は広い空が青く澄み渡り、気持ち良い秋晴れの天気に。
今日は良い1日になりそうだ。
朝食はチャーハンとジャガイモの味噌汁。
そして苦いコーヒーで体が目覚めます。
食卓の窓辺も心地良い秋の空。宗谷の空は本当に広いわ。
北海道ツーリングに訪れるライダーの「聖地」の1つに数えられるクッチャロ湖。
朝晩は相当冷え込むようになりましたが、本州ナンバーのライダーのテントが10張り程ありました。
きれいに手入れされたふかふかの芝生の上に張ったテントから見上げる、どこまでも広がる空、そしてなんの飾りもない静かな湖。
今回はトレーラーだけど、やはり、ここはバイクで来てこの景色にひたりたいところ。
来年はバイクで来なきゃ。
高い山はないけれど、1日中、空と雲の流れを眺めていたい場所です。
さて、今日はまずは猿払(さるふつ)村まで北上してUターンし、浜頓別(はまとんべつ)町~神威岬~枝幸(えさし)町~そして私が子どもの頃暮らした歌登(うたのぼり)の毛登別(けとべつ)の集落まで行って、キャンプ場へ戻るコースです。
広大な牧草地、そして広すぎる空。
宗谷は最高~\(^o^)/
猿払の海岸沿いに続く「白い道」と錆び付いた倉庫、そして青い空とのコントラストが寂寥感を誇張。
白い道にはホタテ貝を粉砕したものを砂利の代わりに敷いてあります。
牧草地の中を貫き、果てしなく真っ直ぐ伸びる通称「エサヌカ線」。
地の果てまで走りたくなる道です。
お昼は猿払村の道の駅でホタテ三昧で、いつもになくリッチ(笑)
お昼からもまた猿払の海岸へ。
砂浜、白波そして紺碧の海。
オホーツク海のこのなんとも言えない空気感が好きだな。
オホーツク海から吹き付ける強風を遮る「海岸防災林」。
防風柵の中で浜風にじっと耐えていた木々が、数十年の時を経て、もうこんなに大きく育っていました。
何もなかった荒野に森ができつつある。
今後も楽しみです。
そして、その森のとなりでは海岸防災林の造成が続いていました。
「間伐材」で防風柵を作り、強風を緩和し、その陰に苗木を植えていくという地道な作業が何十年も。
海を離れてちょっと内陸へ。
触ると大変なことになるけれど、赤く紅葉し葉と緑のコントラストがきれいです。
とても静かで神秘的な「カムイト沼」。
かつて音威子府~浜頓別~猿払~稚内を結んでいた旧国鉄「天北(てんぽく)線」の遺構もいくつか立ち寄りました。
きれいに残されている浅茅野(あさじの)駅のホーム。
夏にバイクで来たら、この日陰でたたずむのもいいかな(笑)
さらに南下し、浜頓別町と枝幸町の境界にある「神威岬」を越えて来ました。
そして、海からだいぶ山に入ったところにある、私が小さかった頃住んでいた集落へ。
昨年まで2世帯が住んでいたはずの集落に人影はなく、ついに廃村となっていた。
解体され廃材の山と化した商店跡。
寂しく咲く花々と残された電柱が、ここに暮らしがあったことを静かに留めていました。
残された廃屋も自然に飲み込まれ、近いうちに見えなくなるだろう。
かつて神社だった場所もそれを留める鳥居が残るのみ。
だれも歩くことがなくなった歩道には力強く咲く花が。
そしてこの集落もいずれ自然に還っていくのだろう。
無人境となった故郷で、牧草地の夕景に母としばしたたずみ、そしてキャンプ場へ戻りました。
浜頓別温泉に入ってさっぱりしたら夕食の支度です。
今夜はタジン鍋を出してきました。
タジン鍋ではジンギスカンと焼きそばを蒸し、トマトやナメコおろしを並べ、ビールを飲みながら母と今日1日を回想したり、子ども時代の懐かしい思い出話の楽しい夜となりました。
明日は美深町までドライブしながら南下します。